ミズゴローの戯れ日記

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彼方×ミズゴローSS すれ違い

午前8時

 

ミズゴロー「ZZZ…ん?今何時だ?やべえ!もう8時だ!いつもアラームセットしてるはずなのに!遅刻する!」

 

ミズゴロー「学校まで三十分かかるからもう飯とか食ってられん!急ぐぞ!」

 

ガチャ!

 

ミズゴローは急いで玄関を開ける

 

彼方「あ、おはよーミズゴローちゃん。」

 

ミズゴロー「か、彼方!?」  

 

玄関先にミズゴローの幼馴染の彼方が立っていた。

 

彼方「はいはーい彼方ちゃんですよー。」

 

ミズゴロー「ってなんでそんな落ち着いてんだ!彼方も早くしねえと遅刻するぞ!てか遅刻確定だぞ!」

 

彼方「遅刻も何も今日は日曜日だから学校なんてないよ?」

 

ミズゴロー「へ?」

 

彼方の一言にミズゴローはおどろき、そしてスマホの画面を落ち着いて確認する。

 

日曜日AM8:04

 

ミズゴロー「俺ってホントバカ…」

 

彼方「ふふっおっちょこちょい。そうだ日曜日の朝に早起きしたんだから一緒に朝ごはん食べない?と言うか朝ごはんに誘うためにきたんだよね」

 

ミズゴロー「あっそういや急ぎすぎて朝飯食ってねえや。お邪魔させてもらうか。」

 

 

彼方に誘われミズゴローは家に向かう。

 

ミズゴロー「まあ家隣なんだけど。」

 

遥「あっ、ミズゴローさんおはようございます!」

 

ミズゴロー「遥ちゃんおはよう。お邪魔させてもらってるよ。」

 

ミズゴロー「おっ、卵焼きと焼き魚か早速いただきます。」

 

彼方「どう?おいしい?」

 

ミズゴロー「うん…焼き魚はすげえうまいんだけど

卵焼きがちょっと甘すぎかなって…彼方料理の腕落ちた?」

 

遥「そ、そんなぁー!」

 

ミズゴロー「え?なんで遥ちゃんが残念がるのさ?」

 

彼方「実は今日の料理は焼き魚をわたしが担当して、卵焼きを遥ちゃんに担当してもらったのでしたー。ミズゴローちゃんは味見担当だよ。」

 

遥「がんばったのに…」

 

ミズゴロー「え?あ、うんほらまだまだ成長の余地あるしね?元気だして?」

 

遥「はい…」

 

彼方「て言うかこうやって一緒にご飯食べるの久々だねー」

 

ミズゴロー「そういやそうだな。子どものころはよくお邪魔して食ってたな。」

 

ミズゴローと彼方たちは幼馴染で、昔はよく家族ぐるみで遊ぶ仲だった。

 

彼方「高校生になってお互い忙しくなっちゃって、たまにしか遊べなくなっちゃったからねー」

 

ミズゴロー「そう言えば彼方と遥ちゃんって虹ヶ咲のスクールアイドル同好会と東雲の部に入ってるんだっけ?どう?」

 

彼方「うん、家母子家庭でしょ?だからあんまり家庭に迷惑かけれなくて、バイトとか勉強とか色々忙しいけど楽しいよ。」

 

ミズゴロー「そっか」

 

遥「私も楽しいです。お姉ちゃんがこうやってたくさん支えてくれてるから。」

 

ミズゴロー「ほーほー姉妹愛だねえ。」

 

彼方「えへへ〜。あ、そうだ!今日ねー同好会の練習があるんだけど、よかったらミズゴローちゃん見学にこない?」

 

ミズゴロー「え…?虹ヶ咲学園って女子校だろ?そんなところに男の俺が行くのは…」

 

彼方「大丈夫大丈夫!彼方ちゃんがちゃんと話しておくから!」

 

虹ヶ咲学園

 

ミズゴロー「きょ、今日は見学させてもらいます!ミズゴローです!よろしくおねがいします!」

 

彼方「こちら彼方ちゃんの幼馴染のミズゴローちゃん、みんな仲良くしてあげてね。」

 

同好会一同「よろしく!」

 

かすみ「それにしても彼方先輩にこんなイケメンな幼馴染がいたとは…でもアイドルたるもの恋愛は厳禁ですよ!」

 

ミズゴロー「い、いや俺たちそういう関係じゃないですし…」

 

璃奈「幼馴染ってことはすごく昔から仲がいい。ちょっと羨ましい。」

 

せつ菜「とにかく私達の練習を見てたのしんでいってください!!」

 

ミズゴロー(スクールアイドル同好会ってすげえかわいい子が多いなぁ…俺緊張しちゃうな…)

 

 

愛「最初はランニングからだよ」

 

彼方「うおおおお!!」

 

ミズゴロー「す、すごい…あの彼方がめちゃくちゃ早く動いてる…」

 

歩夢「ミズゴローさんが見学してるからきっと特別張り切ってるんだと思うなぁ」

 

彼方「ハァハァ…ちょっと疲れてきちゃった…少し休やすやすや…」

 

しずく「ちょ、ちょっと彼方さん!こんなところで寝たら危ないですよ!」

 

ミズゴロー「は、ははは…彼方っていつもあんな感じなの?」

 

歩夢「彼方さんいつも忙しいみたいで、ああやって練習中に寝ちゃうことがしばしばあるんです。」

 

ミズゴロー「ふーん」  

 

午後五時

 

せつ菜「みなさん!今日はこれぐらいにしましょう!」

 

一同「お疲れ!」

 

彼方「ふー疲れたよー」

 

ミズゴロー「お疲れ様、そう言えばこのあと彼方って予定とかあるの?」

 

彼方「ふっふっふ彼方ちゃんはこのあとバイトがあるのだー。」

 

ミズゴロー「ええ…練習したあとすぐバイトってハードだな…帰っても勉強ばかりしてるらしいし、練習中に寝ちゃうししんどくないのかよ?」

 

彼方「うん、しんどいなーって思う事もあるよ。でも家計を支えなきゃだし、私が好きでやってることだから。それにいっぱいがんばったら大好きな遥ちゃんとミズゴローちゃんに褒めてもらえるから。」

 

ミズゴロー「お、おうそっか。」

 

彼方「それに最近は結構簡単に稼げるバイトも見つけたし、楽になったほうだよ。」

 

ミズゴロー「へー、どんなバイトなのさ?」

 

彼方「それは秘密でーす。そう言えばミズゴローちゃんこのあと予定は?」

 

 

ミズゴロー「俺も夜からバイトがあるね。」

 

彼方「ミズゴローちゃんえらーい!」ナデナデ

 

ミズゴロー「ガキじゃないんだから頭をなでるのはよしてくれ。てか早めだけど飯行かないか?がんばってる彼方のために今日は俺がおごってやるよ?」

 

彼方「えー貧乏学生なのにそんな余裕あるのー?」

 

ミズゴロー「痛いとこつくね。でも大丈夫だよ給料日近えし、見栄をはらせてくれって。」

 

彼方「じゃあお言葉に甘えて。今日はマックの気分かなー」

 

ミズゴロー「そんなのでいいのか。もっと高いところでもいいんだぞ。」

 

彼方「ふふふほんとは助かったーって思ってるくせに。それにミズゴローちゃんと食べるなら何でも美味しいよ?」

 

ミズゴロー「お前いい嫁になりそうだな。」

 

彼方「末永くよろしくおねがいします。なんてー。」

 

ミズゴロー(かわいい)

 

午前8時

 

ミズゴロー「いらっしゃいませ!ありがとうございます!」

 

店長「おうミズゴロー今日もがんばってるな!」

 

ミズゴロー「はい!お金欲しいんで!」

 

店長「おいおいもっとやりがいとかそう言うのいいなよ!欲望に忠実すぎるぞ!」 

 

ミズゴロー「いやいや、いつか売上上げて店長追い越すつもりなんで!」

 

店長「ははは!それはいい心がけだな!今日はもう上がっていいぞ!」

 

ミズゴロー「え、でもまだまだ営業時間ですし。」

 

店長「いいんだいいんだ今日は俺一人でやれそうだから。それに一番の働き手を甘やかしておかないと変にやめられたら困るしね。」

 

ミズゴロー「じゃ、じゃあお言葉に甘えて!お疲れした!」

 

ミズゴロー「早めに終わったし色々買い物とかしていくか。彼方いつもがんばってるからあいつに何か買っていってあげよう。」

 

午後10時

 

ミズゴロー「いやーちょっと買いすぎたかもしれん…帰れるかこれ?んっ?あれは彼方と店長?」

 

彼方&店長「キャッキャ」

 

ミズゴロー「なんであの二人が一緒にいるんだ?しかも怪しい雰囲気だし。……別にちょっとついていくだけなら問題ないよな……」

 

数分後

 

ミズゴロー「いつの間にかこんな人気のない路地裏に、どういうことなんだ…」

 

店長「なあ…そろそろいいよな?」

 

彼方「だーめ、て言うか今日の分持ってきた?」

 

店長「慌てんなって、ちゃんと持ってきてあるからほら2万。」

 

彼方「いつもありがとーじゃあ…ジュポ…」

 

ミズゴロー「え?これって援助交際?嘘だろ彼方が?店長が?」

 

店長「お前ちょっとうまくなったか?」

 

彼方「彼方ちゃんはいつだって全力だから練習とかちゃんとしてるんだよ?」

 

ミズゴロー「え?練習?前からこんなこと…」

 

ガッ!

 

彼方「きゃっ!」

 

店長「なあいいだろ?この先やらしてくれよ?」

 

彼方「ん…じゃあも〜っとくれたら考えるかなー?」

 

店長「いいぞ、ほら3万追加だ。」

 

彼方「ありがと、好きだよー。」ぬぎぬぎ

 

 

ミズゴロー「嫌だ!こんなの見たくねえ!嘘だ嘘だ!」

 

彼方「ん?」

 

彼方「今誰かいたような?」

 

ミズゴロー「そんな!彼方と店長があんなことしてるなんて!苦しい苦しいよ!」  

 

翌朝

 

ミズゴロー「だめだ…昨日のこと気になって全然眠れなかった。」

 

ミズゴロー「辛い…学校に行かなきゃだけどそんな気が起きねえよ…うっ」

 

ミズゴロー「おえっ…おえ…うわなんてひどい顔だこんなんじゃ外出れねえな…てか外出る気が起きねえし今日は休もう。このまま寝られれば寝よう。」

 

昼過ぎ

 

ミズゴロー「こんな時間まで寝ちまった…」

 

ミズゴロー「いけねえ今日バイトあるんだった。正直店長と顔合わせたくないな…つらい…休みたいけど突然こんなこと認められねえよな。学校だってほぼズル休みだし。………休みたい………」

 

プルルル

 

店長「はい!○○です!」

 

ミズゴロー「あの店長ですか?すいません突然今日バイト休みたくて。」

 

店長「え?突然過ぎないか?どうしたんだお前?」

 

ミズゴロー「いやほんとすいません。代わりの人とかも見つけてなくてこんなこと言ってほんとにごめんなさい…ごめんなさい…」

 

店長「わかった。いつも真面目なお前のことだもんな。そんなお前がいきなりこんなこと言うんだから大変なことでもあったんだろう。代わりは俺が見つけとくからゆっくり休め!お前は俺の店の宝だよ。」

 

ミズゴロー「はい…すいません…」

 

昨日のことを思い出すミズゴロー

 

ミズゴロー「うっ…!おえ…なんで店長が彼方と…さっきの店長の優しが辛いし痛い。信じてたのに…くそ…」

 

午後5時

 

ミズゴロー「飯とかも何も食わずにこんな時間までぼーっとしてしまった。ズル休みでこれは罪悪感がすごいな。なんか飯買いに行こう。」

 

ガチャ

 

ミズゴロー「あっ…」

 

彼方「あっミズゴローちゃん!今日お休みだったって聞いたから心配で同好会の練習も休んできたんだ!もう大丈夫なの?」

 

ミズゴロー「まーぼちぼちだな。」

 

彼方「よかったー、安心したよー。」

 

ミズゴロー「う、うん(あんなの見ていつもどおりに振る舞えねえよ)」

 

彼方「ミズゴローちゃん?ほんとに大丈夫?」

 

ミズゴロー「いや、なんでもないよ。」

 

彼方「怪しいな〜無理とかしてない?」

 

ミズゴロー「大丈夫だって言ってんだろ!」

 

彼方「うっ…」

 

ミズゴロー「ご、ごめん…俺やっぱ大丈夫じゃないんかな?はははー」

 

彼方「……私ね、ミズゴローちゃんのことほんとに心配だよ?」

 

ミズゴロー「ありがとな…」

 

彼方「いいよ、辛いときは誰かに当たりたくなる気持ちわかるよ。こんなミズゴローちゃん初めてだし何かあったのくらい彼方ちゃんにもわかるから。」

 

ミズゴロー「あのさ、今から出かけようと思ってたんだけどさ。もしよかったら一緒に行かない?」

 

ミズゴロー(俺何言ってんだろ…)

 

彼方「うん、いいよー」

 

ミズゴロー「じゃ、じゃあ行こっか。」

 

ミズゴロー「…」

 

彼方「…」

 

彼方「さっきからずっと黙ってばかりだけど、やっぱりしんどい?」

 

ミズゴロー「いやそんなことはねえけど…」

 

彼方「そっかー、あっそう言えばね最近遥ちゃんがー…」

 

ミズゴロー(あんなの見てどう話していいかとかわかんねえよ…)

 

彼方「ミズゴローちゃん聞いてるー?」

 

ミズゴロー「あ、聞いてるよ。それで?」

 

彼方「もー、ぼけっとしてたら危ないよー?」

 

ミズゴロー「それ彼方が言う?」

 

彼方「あっそうでした!えへへ。あ、あそこにベンチあるから座ろっか?」

 

それから彼方が色々話しだしたけど集中できなかった。

 

ミズゴロー「…」

 

彼方「ねえ?」

 

ミズゴロー「え?」

 

彼方「もー、そんなつらいことでもあったの?私がが話聞いてあげようか?」

 

ミズゴロー「す、すまんそんなことねえから…」

 

ミズゴロー「あのさ、新しいバイト始めたって言ってたよな。」

 

彼方「え?あっそうだった。すごくいいお仕事だから負担とか減って家庭もアイドルも時間ができて、」

 

ミズゴロー「あのさ、昨日彼方が店長とその、お金払ってしてるとこ…見たんだ。」

 

彼方「え?」

 

ミズゴロー「路地裏で彼方が金もらってしてるところ。あの人俺のバイト先の店長なんだ。いつも良くしてもらってる。」

 

ミズゴロー(俺…何言ってんだろ…)

 

彼方「え…」

 

ミズゴロー「バイトってさそう言うことなのかなって。援助交際ってやついやーびっくりしたよ。」

 

彼方「そっか…見てたんだミズゴローちゃん。」

 

ミズゴロー「別にさ、彼方のところの事情は知ってるしさ、軽蔑とかそんなとかないよ。たださ…ただ…た…だ…さっ…」

 

彼方「ミズゴローちゃん…」

 

ミズゴロー「ごめん…彼方だって色々あるのわかるから…家計支えてかなきゃって…でも…そう言うことする前に俺とかに話して…何できるか……わっかんねえ!けどさぁ!相談してほしかったり…」

 

彼方「ごめん…ごめんね…」

 

ミズゴロー「ずっと好きだったから…彼方のこと。ずっとずっと好きだっから。」

 

彼方「…うん…うん…」

 

ミズゴロー「俺に何ができるかなんてわかんねえし何もできないかも知れないけど、裏でこんなことやってるなんて…びっくりしてつらくて…」

 

彼方「もう泣かないで…私もずっと前からミズゴローちゃんのこと好きだったよ。すごくすごく大好きだよ。」

 

ミズゴロー「彼方…そっかそうだったのか…俺彼方のことこれから…」

 

彼方「でもね…もう汚れちゃったから…」

 

彼方「正直ね…私もあんなことしたくなかったよ。でも家計も学校もスクールアイドルもみんな大切なの。」

 

彼方「だから週5のバイトじゃ時間とか足りなくて」

 

ミズゴロー「だったら俺が手伝うよ!」

 

彼方「ううん…これは彼方ちゃんがやりたくてやってることだからミズゴローちゃんに迷惑かけられないよ…」

 

彼方「だから手っ取り早くお金を貰える仕事がしたくて…それで、その…ごめんなさい…」

 

ミズゴロー「彼方は悪くないよ…俺が隣でこれから支えるから…大丈夫だから…」

 

彼方「だめだよ…ミズゴローちゃんには学校があるから…」

 

ミズゴロー「彼方…」

 

彼方「私が好きでやってることだから、全部私人らでやらなきゃだもん。大好きなミズゴローちゃんには迷惑かけられないよ。」

 

彼方「あのね…改めて言うよ?私ねミズゴローちゃんのことずっと好きだったよ。ミズゴローちゃんも同じ気持ちだった。すごく嬉しい。」

 

彼方「でも…もうこんな穢れちゃって…ミズゴローちゃんと付き合うことになってもきっとああやって身体売らなきゃいけなくて…」

 

ミズゴロー「うん…」

 

彼方「こんな私じゃ、ミズゴローちゃんと一緒にいる資格ないよ…」

 

ミズゴロー「そんなこと…ないのに…」

 

彼方「ううん、私幸せになってほしいから…自分の彼女が援助交際してるなんて誇れないよ…こんな自分をミズゴローちゃんの1番にできないから…ごめんね…愛してるよ…」

 

ミズゴロー「彼方…俺も大好きだよ…」

 

彼方「ありがとう、その帰ろっか。」

 

ミズゴロー「うん…」

 

ミズゴローと彼方は帰り道何も話さずに帰った。

 

翌日

 

彼方「あっミズゴローちゃん!おはよう!」

 

ミズゴロー「あ…」スタスタ

 

彼方「ちょっとミズゴローちゃん!」

 

ミズゴロー(無理だよあんなことがあったのに…どう話せばいいんだ。)

 

翌々日

 

彼方「ミズゴローちゃんおは」

 

ミズゴロー「…」スタスタ

 

彼方「み、ミズゴローちゃん!!なんで…なんで…」

 

それからもミズゴローは彼方の挨拶に答えることができなかった。

 

彼方「ミズゴローちゃん…」

 

数ヶ月後

 

???「彼方さん!」

 

ミズゴロー「外うるさいなぁ…」

 

窓をから外を見る。

 

遥「お姉ちゃん、同好会の人がきてくれたよ。」

 

せつ菜「彼方さん!元気ですか!」

 

かすみ「彼方先輩、最近全然同好会どころか、学校にも顔出さないから心配でかわいいかすみんが様子を見に来ました!」

 

彼方「うるさい!もうほっといてよ!」

 

遥「お姉ちゃん…」

 

ミズゴロー「…俺には関係ないから…」

 

遥「お姉ちゃんみんながみんなが心配して、」

 

彼方「もういいって言ってるじゃん!家にお金入れてるの誰だと思ってるの!」

 

遥「ごめんお姉ちゃん…」

 

ミズゴロー「俺には、俺にはもう…もう…関係ないから!」 

 

ガチャ

 

遥「あ、ミズゴローさん…」

 

せつ菜「あ!彼方さんの幼馴染の。」

 

ミズゴロー「あのさ…うるさいからもうちょい静かにやってくんねえかな?」

 

かすみ「そんな!彼方さんの幼馴染なら協力してくれたって」

 

ミズゴロー「俺にはもう関係ないんだよ!とにかくうるさいから静かにしろ!」

 

かすみ「はひっ!?」

 

ミズゴロー「…ごめんでかい声出して…とにかく静かにしてくれればいいから…」

 

遥「ミズゴローさん…」

 

2年後

 

ミズゴローは学校をやめ引きこもるも、投資を学びそこそこの生活を送れるようになっていた。

 

ミズゴロー「そこそこ稼げるようになったのはいいけど暇でしょうがねえや。AVでも見よう」

 

ミズゴロー「あの元スクールアイドルがAVに?これ気になるから見てみようかな。」

 

彼方「あん…あん…あん…」

 

ミズゴロー「かな…た…?そっか…家隣だけどこんなことやってるの知らなかった…てかエロいしあいつの乳首こんな色なのか…」

 

ミズゴロー「あれ?なんで涙が出るんだろ…おかしいな…き、気分転換に外でも行くか…」

 

ガチャ

 

遥「あっ…お、お久しぶりです…」

 

ミズゴロー「遥ちゃん…そのひさしぶりだね。俺がこんなこと言うのおかしいかもだけど、彼方は元気?」

 

遥「はい、一応は元気みたいです…」

 

ミズゴロー「そっか…そう言えばもう3年生だよね?進路とか決まったりしてるの?」

 

遥「はい、お姉ちゃんが色々お金とか工面してくれて…なんとか大学に進めるようになりました。」

 

ミズゴロー「そっか…」

 

遥「あ、あの!」

 

ミズゴロー「え?なに?」

 

遥「ずっと言おうか迷ってたんですけど、ミズゴローさんお姉ちゃんのこと好きでしたよね?」

 

ミズゴロー「まあそうだね…好きだった。」

 

遥「お姉ちゃんもずっとミズゴローさんのこと好きでした。それは今も変わらないと思います。」

 

ミズゴロー「そうかな…突然縁を切るようなひどいことをしたわけだし…」

 

遥「い、いえ!お姉ちゃんは縁を切られたのは私が悪いってずっと自分を責めてました…」

 

ミズゴロー「そっか…悪いことしたね…」

 

遥「あの…知ってます?お姉ちゃんその…色々人には言えないような仕事をしてて」

 

ミズゴロー「噂には聞いてるよ。」

 

遥「そうだったんですか…だから距離を…」

 

ミズゴロー「…違う!それでもずっと好きだった。ガキの俺たちには覚悟とかそんなもんがなかったんだ…お互いに好きなのにすれ違って…わからないけど…」

 

遥「…そのお姉ちゃんが引きこもってる時ミズゴローさんにごめんってずっと言ってました。」

 

ミズゴロー「そっか…」

 

遥「その!お姉ちゃんのことは…どう思って…」

 

ミズゴロー「好きだよ。でももう会えないし会う資格なんてないと思ってる。」

 

遥「そんなこと!」

 

ミズゴロー「あるよ。引きこもってるとき俺だって彼方に会うことや、救うことができたかも知れない。けどそんなことせず逃げることを選んだんだよ俺は。」

 

ミズゴロー「さっき彼方がAVに出てるの見たよ。」

 

遥「…」

 

ミズゴロー「きっとそのお金で家計支えてんだろうね…すごいよ…俺も投資がなんとかうまく行ってさ。彼方を救うことができたかも知れない…でもそれをしなかった。」

 

遥「ミズゴローさん…」

 

ミズゴロー「ごめんね遥ちゃん…君のお姉さんにあんなことさせるまでして…」

 

遥「そんなことないです。ミズゴローさんはいつも」

 

ミズゴロー「ありがとう。君にそう言ってもらっただけでも嬉しい。そのまた時間あったら話そうよ。」

 

遥「はい…そのいつでも待ってますし、お姉ちゃんも呼びますからね。」

 

ミズゴロー「うん」

 

ミズゴロー「俺がもっと早く勇気を出してれば彼方にあんなことさせずに済んだのかな…おかしいなとっくに忘れてた気持ちだと思ってたのに、今でも好きって気持ちが止まんねえや。」

 

ミズゴロー「あのときは彼方が資格がないって俺に言ったけど、今は俺のほうが資格がない。会いたいよ彼方。会って謝りたいよ。でもできないよ。」

 

撮影所

 

彼方「今日は撮影疲れたよー。Twitterでも見よう。」

 

彼方「…ホーム画面見たら思い出すな。」

 

彼方のスマートフォンの画面にはミズゴローと遥と彼方の写真が使われていた。

 

彼方「こんなとこまできちゃって…ミズゴローちゃんが見たら失望するだろうな…ごめんね…」

 

彼方「会いたいな…ミズゴローちゃん。誤りたいよ。でももう私にはそんな資格ない…」